寿都臨海実験所報告会
2017-02-20


寿都臨海実験所を活用した研究に関する報告会を開催しました。

この報告会は、本実験所における研究活動の成果を地元市町村役場や漁業協同組合、漁業者、一般市民の皆さまに知ってもらうと同時に、地域の方々とのコミュニケーションを通じた研究課題の掘り起こしを目的として、2013年度から寿都町と留萌市にある2か所の臨海実験所でそれぞれ行っているものです。
今回は、地元の寿都町役場の職員、寿都漁業協同組合の職員・漁業者ほか、近隣の島牧村役場や島牧漁業協同組合、北海道庁後志振興局水産技術普及指導所の職員、国立研究開発法人寒地土木研究所の研究員、水産加工会社・建設会社の社員など計45名もの方々に参加していただきました。

報告のテーマは、以下のとおりです。
1.寿都町矢追におけるクボガイの生活年周期と海藻群落形成への影響
2.寿都漁港周辺のガラモ場における葉上動物の個体群動態
3.寿都町矢追におけるイシダタミの生活年周期と海藻群落形成への影響
4.寿都漁港周辺のガラモ場に生息する稚魚類の食性
5.寿都朱太川河口における稚魚類の食性
6.寿都湾におけるホタテガイ養殖場の環境評価
7.マナマコ種苗に対するマコンブ仮根部粉末の最適給餌量について
8.マナマコ種苗に対するマコンブ仮根部粉末の給餌形態について
9.空気ポケットフェンスを用いたマナマコ中間育成施設の開発


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現在、寿都町沿岸では、大型海藻が生えないことにより漁業生産の低迷が続く磯焼け現象が深刻な問題となっており、その対策として施肥等の事業が行われていますが、残念ながら明瞭な効果は現れていないのが実情です。
こうした中、当臨海実験所では、寿都町沿岸の磯焼け現象の原因解明と対策構築の一環として、寿都町役場と共同で上記の研究課題に取り組んできました。
質疑では、植食性小型巻貝がホソメコンブやフシスジモクなど大型海藻の幼胚体を摂餌することにより海藻群落の形成を阻害していることが明らかになったことを受けて、今後の対策について関心が集まり、出席者からは巻貝の利用方法などの意見もいただきました。
また、マナマコについては、北海道内において現在最も有望視されている栽培対象種ということもあり、寿都漁港での中間育成や養殖展開に向けた意見交換を行うことができました。
そのほかの課題についても出席者から意見や質問を多数いただき、学生たちは自分が取り組んだ研究が社会で必要とされていることを改めて認識するとともに、今後の課題について整理ができたのではないかと、傍観していて感じたところです。

今後も本学が地域産業の活性化に貢献すべく、こうした研究報告会を続けていきたいと考えております。

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報告会の後は、寿都町役場の方々とともに楽しい意見交換会を行いました。
[発表会]

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